古事記にみつけた最古の踊り子

300年前の奈良時代に成立されたと言われる、日本バージョン世界成立物語「古事記」。古事記の中で踊りってどんなふうに描かれているんだろうと思い読んでみました。。で、踊りより先に気になったのは、日本の神様達の自由さ!!怒ったり、恋愛したり、ずいぶんおおらかな神様たち。聖書に出てくる「GOD」のような圧倒的な存在感が全くない。。。同じく多神教であるヒンドゥー教の神の話に少し似ているけど、ヒンドゥーの神様よりもさらに人間的な印象を受けた。

で、本題に戻り、古事記における踊り!といえばこの名前は外せないというのを見つけました。

「アメノウズメ」


岩戸隠れで天照大神が天岩戸に隠れて世界が暗闇になったとき、神々は大いに困り、天の安河に集まって会議をした。思兼神の発案により、岩戸の前で様々な儀式を行った。 「槽伏(うけふ)せて踏み轟こし、神懸かりして胸乳かきいで裳緒(もひも)を陰(ほと=女陰)に押し垂れき。」 つまり、 アメノウズメがうつぶせにした槽(うけ 特殊な桶)の上に乗り、背をそり胸乳をあらわにし、裳の紐を股に押したれて、女陰をあらわにして、低く腰を落して足を踏みとどろかし(『日本書紀』では千草を巻いた矛、『古事記』では笹葉を振り)、力強くエロティックな動作で踊って、八百万の神々を大笑いさせた。その「笑ひえらぐ」様を不審に思い、戸を少し開けた天照大神に「あなたより尊い神が生まれた」とウズメは言って、天手力雄神に引き出して貰って、再び世界に光が戻った。(wikipediaより)

とまあ、洞穴に隠れてしまった太陽神アマテラスを誘い出す術を探そうと神様たちが苦心している場に「最古の踊り子アメノウズメ」があらわれほとんど裸で踊り、真剣な面持ちだった神様たちを爆笑させて場を盛り上げ&巧みな会話で太陽神アマテラスを引っ張り出すのに成功した、という話だ。

私が面白いなと思ったのは「裸⇒笑い」という流れ。それから踊り子アメノウズメが真剣にう~んとなっている他の神様たちを笑わせにかかる、笑われるんではなく、笑わせにいく芸人的なニュアンス。真剣な場でこそ変な人がいたら思わず笑ってしまうというのがあると思うけど、この物語では「裸」や「踊り子」が性対象以上のものとして書かれているみたい。いわゆる神と交わる「巫女」としてということだと思うけど、なぜ裸になったのか~っていうところはいつか納得いく答えが見つかるといいな。古代の日本では胸や陰部に特別な力があると信じられていたとか?子を産む場所だし…予想です。

天岩戸前のアメノウズメの踊り。最後のぐるぐる回っているところがトランスっぽくてかっこいい。


海幸彦山幸彦の物語をもととした隼人舞という踊りの映像を見つけた。おぼれている様子を踊りにしたもので、物語を伝えていくために作られた舞という感じ。足がお相撲さんみたいにドスドスやってて、さすが農耕民族ってかんじだし、さっきのアメノウズメの踊りもそうだけど、回転するの好きだな~って感じ。


聖書のように嬉しすぎて思わず踊っちゃう!みたいな記述がみつけれなかったのは残念だけど、まあそれも日本っぽいのかな~。

柿崎 麻莉子 | Mariko Kakizaki

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