monkey god と 仙人
ヒンドゥー教にはいろいろな神様がいるらしい。私はまったく宗教にくわしくなく、唯一名前を知っているのは、シヴァとガネーシャとナーガくらい。そんな私でもインドを旅していると彼らインドの神様をさけて通ることはできない。
ラーマーヤナーから猿の神様ハヌマンの話。むかしむかし、いまのバングラディッシュ辺りにあった国の王様の妻がさらわれた。王様が妻を探しにやって来たのがここ南インドにあるハンピ。当時この場所には巨大な猿の王国があった。王様は猿の王様に妻さがしを手伝ってくれるようお願いし、猿たちはハンピに転がる大岩達を投げて敵を倒したり大活躍した。最終的に王様の妻がスリランカにいることが分かり、猿たちは岩を海に運んで橋をつくったという。いまでもインドとスリランカの間にはその橋の一部分が残っているという。
というのが朝chaiを飲みながら聞いた宿の兄さんのハナシ。
兄さんが川の向こう側のmonkey templeに行ってこいというから、やってきた。山のてっぺん、寺の周りにはたしかに猿が多く、かばんをぬすまれたー!とか、ひっかかれたー!とか、なんだか騒々しい。monkey templeの前には赤い布団を敷いて寝ている仙人がいる。
どのくらいここで寝ているのと聞くと「もう10年になるなあ」
なぜここで寝ることにしたのときくと「世界中を歩いてきたけれど、ここの景色が一番きにいったんだよなあ」
仙人は穏やかだ。寺から聞こえる音楽は、24時間絶対にやまないマントラだという。10年という時間、私がダンスをしたり学校に行ったりしている間、仙人はここで朝日や夕日をみて、マントラを聞いていたのだ。マントラは10人の演奏家が2人づつ交代制で演奏しているという。それは仙人の周りにいつも誰か人がいたということで、そのことがなぜか嬉しかった。
私が仙人と話している間、寺に参りにきたインド人たちが仙人に手を合わせていた。仙人は本物かもしれない。
日でなくて週で。週でなくて月で。月でなくて年で。旅をしているといろんな時間を生きている人に会う。
写真は猿寺からの夕日。
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