りんねてんせい
誕生日の夜、深夜から朝方まで太鼓やラッパの音楽がきこえていた。明るい性格の音なのだが、お祭りとは違う静かさがあり、なんだろう、夜通し演奏とはさすがインドだな~、なんて思っていた。
翌朝、また音楽が鳴りだしたので宿の屋根から覗いてみると村人がみんな宿の前に集まっている。隣の家のおじさんが昨晩亡くなったらしい。
集まった女性たちの美しいサリー、太鼓とラッパが奏でる明るい祈りの音楽。いやにカラフルなお葬式だと思った。ヒンドゥー教の輪廻転生思想が関係しているのだろうか。しばらくすると木とバナナの葉で作られたベッドにのって亡き人がはこばれてきた。ざわめきとともに村人が彼のもとに集まるのがみえる。その集団の外側でオレンジ色のサリーの女性が声を出して泣いていた。
輪廻転生ではたしか、死んだ瞬間に新しい生として生まれ変わるといわれている。宗教上では輪廻転生と言われても、たのしい音楽がなっていても、愛する人をなくした人の悲しみはかわらないだろう。
輪廻転生的にいうと、隣の家のおじいさんの魂は、私と同じ誕生日を持った26歳年下の人間として生まれ変わったことになる。20年後、私が46歳になった時、20歳になる人がいれば、その人はこのおじいさんの生まれ変わりかもしれないんだなあ、なんて。
わたしのひいおじいさんは、私が生まれる数か月前に亡くなったと聞いたことがある。誰に言われたのかは覚えていないけど、私はひいじいちゃんの生まれ変わりなんだ~と言っていたのを思い出した。まあ数か月のラグはあるんだけど。でも、本当かどうかは別として、そう言うことで、救われる気持ちっていうのはあるんだとおもう。
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