南オーストラリア美術館:アデレード

はじめてのオーストラリア。景色の発色が鮮明!乾燥マジック!あれ、オーストラリアって地図上では環太平洋系、アジアに近いのに全くアジアらしさがないのはなぜ?どっちかっていうと多民族国家のカナダっぽい。というか、なぜ英語?(無知、無知、無知です。。)

無知な私が22歳青髪のオーストラリアンギャルに聞いたところによると、オーストラリアが英国によって「発見」されたのは約250年前。当時流刑地を探していた英国が、これはちょうどいいと囚人をオーストラリアに送ったところから白人移民がはじまったそう。何万年も前から現地に住んでいたアボリジニ達は迫害殺害され、まあ、すこしはましになってきてはいるもののまだまだ差別は残ってるらしい。それから「あなた日本が第二次世界大戦の時にオーストラリアを爆撃したの知ってる~?超大変だったんだから~これ、常識だよ!」ともいわれました。。なぜ、日本がしたことさえ私は知らないのですか?歴史の時間そんなに寝てたかな~、教えてもらった記憶すらない。。

まあそんな感じで色々と衝撃をうけた1日目の夜。バーで飲みながら周囲を見ていると、アボリジニらしい人たちが、酔っぱらって叫んでいたり、ホームレスになっていたり。なんとも矛盾を感じる状況をまのあたりにして、ムズムズ。アボリジニの生活について展示されているSouth Australia museumへ行こうときめた。

翌日、すこし迷子になりなぜか美術館の裏口にたどり着く。裏口を入ったところのすこし広まったところでアボリジニ系ホームレスと思われるおばさんお昼寝中。裸足。足の裏くろいね。アボリジニについて展示してる美術館だから居心地いいのかな、なんて思いながらそっと通り過ぎる。入館料は無料。館内にはアボリジニの伝統的な生活に使われた道具や実際に数十年前に撮影された映像などが展示されている。高い精神性を持ち、オーストラリアの広大な自然と繋がった先住民の生活がよく理解できた。絵や造形物の中には近づくだけでドキッとするようなモノもあった。映像に映っている先住民は、いまの白人オーストラリア人とは全く違い、色黒のアジアとつながった大陸の人の顔をしていた。

美術館から外にでる時に、なんとなく気になって裏口を覗くと、おばさんはまだそこで寝ていた。ふと、このおばさんが展示を見たらどんな気持ちがするのだろうとおもう。自分の親の世代の映像やひょっとしたら自分の子供時代の映像だって年代的には展示されている可能性もある。懐かしく思うのか?いや、カプセルにとじこめられたように思うんじゃないかな。過去にされたように。近代社会の波に飲み込まれた現在のオーストラリアに裸足おばさんは住んでいる。

尊敬をもって先住民の生活を記録することは大切。彼らの現代社会の中での権利を保障することも必ずしていかなければならない。でも彼らが育んできた文化を本当の意味で尊重するのであれば、目に見えないものの存在を信じることや、自然と共にいきることを現代にとりいれていくのが理想なんだろうとおもう。

資本主義の柱に支えられたばらばらと崩れていきそうな街並みをギクシャク歩いてホテルに帰りました。ココナッツジュースを買ったら、変なココナッツ味のゼリーが入っていた。まずかった。


柿崎 麻莉子 | Mariko Kakizaki

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